2010年3月18日木曜日

日本の若者と未来

学力低下の現状に思う――キャスター草野仁氏(あすへの話題)
2010/03/18 日本経済新聞 夕刊 1ページ 659文字その他の書誌情報を表示

 日本の子供たちの学力低下が指摘されるようになって久しい。かつてはアジアでは基礎科目についてはほぼナンバーワンだったのに、近年は科目によっては首位の座から滑り落ちて2位どころかもっと下にランクされるケースもある。中国やインド、韓国など国家を挙げて教育に力を入れる国が増えているのだからいつも日本がトップというのは難しいにしても、もう少し良い成績を収めてほしいと思う。
 教育現場にいる人たちに聞くと、日本人全体の学力が昔より落ちてきていることは間違いないという。理工系の学生を採用している有名企業の人事担当者からこんな話を聞いた。昔は四年制大学の卒業生なら、そのまま現場で仕事に就くことができたものだが、今では様々な分野の補習授業を徹底して受けさせ、さらに入念なガイダンスを施したうえでないと仕事に就かせることができない。つまり今や大学院修士課程を修了した人でないと、昔の大卒に匹敵する力量を持ち合わせていないという。採用した学生が即戦力にならないのは企業として辛いらしい。
 終戦直後に育った私たちの世代は「日本は資源小国なので、国民一人ひとりが頑張って自分の能力を最大限に開花させるように努めよう」と教えられ、それに忠実に従ってやってきた。日本の経済的発展もそういう日本人の志の高さに支えられてきたといっていい。
 ほどほどにやって食べていければいいという考えからは、新しい何かを産出するエネルギーは生まれてこないだろう。我々は今もう一度原点に立ち返って、謙虚に自らの進むべき道を見いださなくてはならないと思うのである。


自分は草野さんの意見に賛成である。
「ほどほどにやって食べていければいい。」
自分の周りには全員ではないが、こんな人々が多い。

「なにそんなに頑張ってるの?」
こんなことをたまに言われる。クールに生きることばかり考え、あからさまに一生懸命になることを嫌う。

自分を含めた現在の若者は、戦後間もない頃のように発展途上国である日本でなく、世界で2番目に大きな経済規模を持つ豊かな日本で育った。そこまで苦労せずとも、世界から見れば多くの人々が十分豊かな暮らしができた。

このままで良いのだろうか。日本の未来を背負う現代の若者。まずは自分が頑張らなくてはいけないと思うところだが、ごく少数がこんな風に思っても日本の未来は大きく変わらない。

「もうすぐ日本を超える。まだまだ経済格差は大きいが、次の時代は中国だ。」
自分が旅先で出会った中国人が言う。
この言葉に「自分達も負けていられない!」と思う若者は、日本にどれだけいるのだろうか。

日本は今深刻な病にかかろうとしている。
まだ治療は可能だ。手遅れにならぬ前に、気付くべきだろう。

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