2010年3月29日月曜日

日本の空港と世界の空港

世界中を旅していた時多くの空港を乗り継いだが、その時印象的だったのが、UAEのドバイ国際空港とシンガポールのチャンギ空港である。

ドバイ国際空港では、黄金の椰子の木が立つ豪華な免税店街がお出迎え。無線LANが無料で使用できたのが嬉しい。依頼すれば有料で広い空港内を案内し、荷物を運んでくれるサービスも心強い(貧乏旅行者の自分がこのサービスを利用することはなかったが…)。また、エミレーツ航空でドバイ乗継の場合、無料でビュッフェを楽しむ事もできた。
市内へのアクセスは去年の秋に一部開通した「ドバイ・メトロ」や、バスが充実してアクセスしやすかった。


チャンギ空港はドバイ国際空港の上を行く。ターミナルは最近できたのかとても新しく、デザイン性に富んでいた。空港を歩いていて飽きることはない。無料で使えるインターネットPCはいたるところに設置。東南アジアのハブ空港を目指し、日本の顧客を意識して、標識やアナウンスには日本語も使用されている。広い空港をうまく回ることができるよう、空港はコの字型になり、無料のモノレールが各ターミナルを結ぶ。もちろん免税店やレストランも充実していた。待ち時間を忘れてしまう程の快適さである。


共に地域のハブ空港を目指して戦略的に建設された空港。チャンギ空港は様々な空港ランキングで上位5位以内にはランクインされ、英スカイトラックス社によるワールド・エアポート・アワード2010では世界第1位に選ばれている程。


そんな中、日本の空港はどうか。

日本の玄関口である成田空港。「Power Up Narita」をキャッチコピーに、発着枠の拡大、高速鉄道による都内へのアクセス向上させる。

しかし、世界の空港と比べるとまだ見劣りする。インターネットは有料。しかも全てのターミナルで使えるわけではない。空港内にあるお店やレストランは昔とそう変わらず、魅力的なものが少ない。羽田空港の方が充実している。

今日3月29日に放送されたWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)で、ゲスト出演したボストン・コンサルティング・グループ日本代表御立尚資が日本空港の問題点を3つ挙げていた。

1.ハブ空港の不在
2.首都圏の発着枠が少ない
3.格安航空会社がない

2.は今回の羽田・成田発着枠増加によって多少改善されるだろう。ただ、これでも需要に対して供給が足りず、需要超過の状態。更なる設備投資、もしくは不採算路線の整理等を行い、発着枠を増やしていく努力が必要だ。

1.日本にはハブ空港といえる空港はあるだろうか。「韓国の仁川空港が日本のハブ空港だ」。こんな話を良く聞く。仁川空港から日本に飛ぶ路線は約20。地方から国際線へ乗り継ぐ時は仁川空港を利用した方が乗継時間も少なく、運賃が安い場合があるのだとか。地方から羽田へ行き、成田まで行って海外へ行く手間を考えたら当然の選択肢であろう。
羽田と成田をうまく使い分け、日本のハブ空港を育てていくことが必要だ。

3.日本にはまだ格安航空空会社が充実していない。国内の主要都市には就航しているが、海外へはオーストラリア、香港、フィリピン、韓国、マカオぐらいであろう。欧州ではくまなく各国へ格安航空会社が就航しているのと比べると、充実しているとは言い難い。


空港が充実し、飛行機の往来が増やすことは日本経済に大きなプラスとなる。飛行機の乗り継ぎついでに日本を観光する観光客が増えることによる観光産業への期待。観光による日本の国際的理解の深化。利便性を考慮した、国内外企業のビジネス拠点の設置増。プラス要因は多い。

前原国土交通大臣は羽田のハブ化に言及し、一時話題となった。是非とも実行してほしい。

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