昨日TBSの「あの戦争は何だったのか~日米開戦と東条英機」というドラマを見た。
当時の政治制度と東条英機の人物象がよくわかるいい作品だ。
最初はビートたけしが東条英機と聞いてあんまり合わないんじゃないかと思ったが、ビートたけしの熱演でそれは間違いだと気付いた。
東条英機は陸軍学校時あまり昇進されないと言われていた。
しかし2.26事件をきっかけとして、東条の存在が大きくなり、首相まで上り詰めた。
東条は戦争開戦を回避させたかった。勝見込みも薄いし、何より昭和天皇がそう望んでいたからだ。
しかし、会議(大本営政府連絡会議)では特に軍部が開戦へ向けて威勢を揮っていた。
「開戦」が決定する直前の会議休憩中、エリート軍人である石井秋穂(陸軍省軍務局軍務課高級課員)は東条に向かって言った。
「開戦を回避するには今内閣総辞職するしか方法はありません。内閣総辞職をすれば時間を稼げます。」
彼は陸軍では珍しい開戦反対派だった。
東条はこれに対してこう答えた。
「君はいつもトップにいる。しかし私は努力してここまで上り詰めたのだ。天皇にいただいたこの職を投げ出すわけにはいかない。」
結局その後の会議で日米開戦が決定する。
天皇に開戦の旨を報告をするとき、東条は泣いた。
開戦を止められなかったからだろう。
あの時、東条が総辞職をしていれば歴史は変わったかもしれない。
これをみてある人物を思い出した。麻生太郎現内閣総理大臣だ。
100年に一度の金融危機にも関わらず、経済対策の動きは遅く、来年3月ごろに決定する見込みだという。
「政局より政策」だという。
しかし「政局」を進めなければ「政策」を実行に移せないのが今の現状だ。
総裁に就任当時は国民の支持を期待し、解散総選挙を行う予定だった。 しかし国民の支持は予想外に低く、解散に踏み込めなかった。
麻生は何度も総裁選に敗れ、やっとのことで当選した人物だ。
「やっとのことでここまで上り詰めたんだ。こんなすぐに辞めてたまるか。」 東条英機と重ならないだろうか。
「政局より政策」という一本調子の文句を言い続けるが、「政策」が適切に実行されているとは言い難いし、定額給付金など「政局」を意識している感も否めない。口だけではないか。
100年に一度の金融危機を抑えるためにも、早期解散し政策を推し進めるべきだろう。
現状は「政局なくして政策なし」だ。
麻生太郎、東条のように泣いて終わる前に解散総選挙を実行するべきだ。 いくら求心力が低くても、その権利は首相にある。
最後に、昨日ただ一人民主党の衆議院解散要求決議案に賛成した渡辺喜美元行政改革担当大臣に心から敬意を示したい。
渡辺氏の言う、政策実行のための党派を超えた「国民運動」が実現することを願う。
NIKKEI NET 「自民、渡辺氏を戒告処分 解散要求決議案賛成で」
0 件のコメント:
コメントを投稿