2010年11月21日日曜日

先行する日本。追い越される日本。

グーグル「おサイフケータイ」で攻勢 日本の牙城に風穴も
新携帯OS投入へ

2010/11/21 17:42
日本経済新聞 電子版

 【シリコンバレー=岡田信行】米IT(情報技術)大手グーグルは近く発表する携帯電話用の基本ソフト(OS)で、決済機能を持つ非接触ICチップに対応することを明らかにした。携帯決済は「おサイフケータイ」として日本勢が切り開いてきた分野。先行メリットを生かして世界に打って出る足がかりとするか、技術的な優位性を失い海外メーカーの攻勢にさらされるか。日の丸ケータイは正念場を迎えつつある。

 サンフランシスコ市内で15日開かれたイベント。グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)は携帯OS「アンドロイド」の次期バージョン「ジンジャーブレッド(開発コード)」を搭載した新型機を手にしながら、携帯が今後どう変わるか力説した。

 ジンジャーブレッドは「数週間以内に出す」としており、来年には新OSを搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)が登場するとみられる。

 「クレジットカードがなくても、携帯の『タッグ&ペイ』(タッチで支払い)で買い物ができる」「位置情報に連動した情報提供サービスができる」。シュミット氏が語る“近未来の話”は、日本では日常生活でおなじみの話ばかりだった。

日本の携帯電話とスマートフォンの比較
 日本の
既存の携帯
アンドロイ
ド対応スマ
ートフォン
iPhone
(アイフォーン)
PCとの連携
赤外線通信機能×
ワンセグ視聴
携帯マネー機能△→○×

(注)○=優れる、△=やや劣る、一部で対応、×=悪い、使えない

 グーグルが新たに対応するのは携帯決済の国際規格「NFC」。ソニーと欧州電機大手フィリップス(現NXPセミコンダクター)が共同開発した規格で、日本の「おサイフケータイ」に搭載しているソニーの技術「フェリカ」と互換性を持つ。

 IT情報サイトでは、新型機は「韓国サムスン電子ではないか?」といううわさ話が流れた。もし、真実であればソニーが規格作りにかかわり、日本の携帯電話メーカーが先行してきた分野だけに衝撃は大きい。

 日本メーカーは現在、スマートフォンに独自機能で「おサイフケータイ」を搭載するなどして国内市場で優位を保っている。だが、NFC対応を契機に機能が同等でより使い勝手のよいスマートフォンが世界に普及したらこの構図が崩れるからだ。

 一方、国内で「フェリカ」を使ったアプリケーションやサービスを手掛けてきた事業者は、互換性のあるNFC対応を進めることで、垣根を越えて、アプリやサービスを輸出できるだろう。

 携帯決済の分野では5年以上先行したといわれる日本の携帯メーカー各社だが、世界の差は急速に縮みつつある。携帯決済で蓄積したノウハウで世界市場で勝ち抜くことを目指すのか、国内市場にしがみついて孤立を深めるか。日本メーカーは決断を迫られている。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3E4E2E6978DE3E4E3E3E0E2E3E28AE0E0E2E2E2;df=2


おさいふケイタイはは日本が先行していた技術。この記事にあるように。5年も前から日本では普及しているものだ。グーグルCEOシュミット氏が描く未来の携帯電話。それは既に日本に存在する。

「え?携帯電話にメールアドレスがあるの?」

私が高校生の時に海外へ留学した時、同級生達は驚いた。まるでデジタルカメラ並の高機能カメラ、電子決済機能、電子メール。最近スマートフォンが流行しているが、元々日本にも「i mode」や「ez-web」といった携帯電話独自のネット技術が利用出来る「スマートフォン」が大量に流通し、利用されていた。海外から見れば、日本の携帯電話はらくらくフォン以外すべて「スマートフォン」である。


それでも、グーグルCEOシュミット氏は言う。

「これからの新しい携帯電話の姿はこれだ。」


それは日本企業が既に開発し、既に日本市場で成功を収めているものであるのにも関わらずだ。

しかしこれがなぜ日本企業が情報の発信源ではなく、すべて海外の企業に持っていかれるのだろうか。携帯電話もそうだ。太陽光発電もそうだ。半導体もそうだ。LEDテレビもそうだ。全部元々日本が先行していた技術。かつてトップシェアを握っていた技術ばかりだ。

それなのに、それを真似され、海外の企業がそれらを発進し、成功を収めている。

日本には文字通り世界の「未来」があるのだ。世界がそこに辿りつくのを待ってはいけない。日本がその「未来」へ世界を導いていかなければならないのである。

「ガラパゴス」は、決して憂べき事ではないのである。日本のガラパゴス化は、日本の大きなチャンスなのだ。

「他と同じことをやっていては勝てない。」

日本は、すでにその必要条件を満たしている。あとは実行するだけだ。

2010年11月14日日曜日

『東京ストーリー②』懐かしの下北沢と高橋歩

FREE FACTORY タコライスセット 500円+400円(ビールセット)


今日訪れたのは下北沢。

学生時代は井の頭沿線に住んでいたので下北沢にはよく訪れたものだ。あの頃が少し懐かしい。

下北沢がいいのは、おしゃれなカフェがあるとかいい古着屋があるとかそういう事だけではない。街そのものの雰囲気がいいのだ。狭い路地にたくさんの小さな店があり、そして賑わいがある。新宿や渋谷のような真新しい建物が立ち並ぶ時代の最先端のような街ではない、どこか昔懐かしい温かさがある。そしてそれは街全体が古臭いのではなく、その懐かしさの中にも常に新しいものが存在する。それが下北沢である。


さて、今回久々に下北沢を訪れたのはその懐かしさを感じるためだけではない。作家で旅人である高橋歩がプロデュースしたカフェ「FREE FACTORY」に行くためだ。

高橋歩は現在家族4人で世界一周旅行に出かけ、本を書いたり、カフェを開いたり、学校を開いたりして自由気ままに生きることをポリシーとした作家である。

高橋歩が書く本には賛否両論があるが、私は時々その言葉に助けられることが度々あった。

私の座右の銘、「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ。」は高橋歩の本に度々登場する。

そんな高橋歩が運営するカフェは一体どんな場所なのか。自分は旅を楽しむ一方、運営するカフェは一体どのようなところなのか。とても気になったので行ってみることにした。

「FREE FACTORY」
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本日はトークライブのイベントをやっていたので17時からの通常営業。もう17時であったが、17~18時の1時間のみランチをやっていたので食べることにした。

入店するとすぐ右側に高橋歩の本がずらりとならんでいた。正直に言うと、私の座右の銘は高橋歩の本から来たものだったが、本格的に高橋歩の本を読んだことはなかった。高橋歩の本が多く置いてある本屋はあまりないので、ここならじっくり選ぶことができた。

インターネットには500円のメニューが並んでいたが、行ってみると700円のセットメニューしかない。あとで再確認してみると、セットでなければ500円の単品で頼めば良いことがわかる。
頼んだ料理は「タコライス」。オススメメニューだったし、チーズがたっぷり載っているものだったので、チーズ好きの私にはたまらない料理だろうと確信したからである。

料理が来る間、高橋歩のどの本が良いか手持ちのパソコンで調べた。そこで最新刊「いつもココロに青空を。青空は繋がっている。」という本ならばこのお店にサイン本があることがわかった。早速最新刊を購入することにした。

やってきた「タコライス」は私の確信通り、美味しいものである。たくさんのチーズがトマトソースと良く合う。こんなにたくさんのチーズが載っているタコライスが初めてだ。チーズとごはんはなんとなく合わないようなイメージだが、全くそのようなことはないただの偏見だ。


店には旅行者と思われる人々もいた。高橋歩は韓国にも本を出しているようで、韓国人の愛読者達もわざわざこのカフェに来て、同じくタコライスを楽しみながら写真を撮りまくっていた。

高橋歩を国際的に理解し合うことができるとは、不思議な感覚がしたがとても嬉しいことだ。こんなところにもグローバリゼーションの波が流れてきていた。


雰囲気よし、料理よし、居心地よしで、とても良い空間「FREE FACTORY」。FREEが一番だ。

2010年11月13日土曜日

「外人の見方(1)」礼儀が良すぎる日本人


浅草にある「浅草スマイル・バー」という場所へ行った。
学生時代、バックパッカーとして世界中旅行をしようとして下宿先を解約した。しかし帰国後、卒論や就職先のことでまだ東京に用があったため、浅草にあるバックパッカー宿『浅草スマイル』に数カ月住み着いていた。その時にできたのがここ「浅草スマイル・バー」。

1杯400円でビールを含めたドリンクを注文でき、世界中の旅行者と会える。とても気軽で、英語の勉強にもなるので、私はこのバーに月に2、3度通っている。


今日出会ったのはフランス人。彼女と一緒にジャグリングをしながら生活をしている。なんと今月静岡でジャグリング大会があって、それに参加するために来日したのだとか。

いつも私は旅行者に聞く。
「日本人のイメージってどんな感じ?」
「礼儀正しくて、フレンドリーでいい人が多いよ。ただ、礼儀正し過ぎる。」
「たとえば?」
「例えば僕のせいで誰かとぶつかっちゃった時だって、何故か相手が『ごめんなさい』って謝る時があるんだ。フランスではあんなことないよ。」

礼儀正しき日本人。日本の礼儀は独特な文化のようだ。

2010年11月3日水曜日

映画 LIAR GAME -The Final Stage-


『LIAR GAME』(ライアーゲーム)は、甲斐谷忍による日本の漫画作品。その劇場版、『LIAR GAME -The Final Stage』を見た。

この作品はドラマにもなっている人気漫画であるが、私は漫画もドラマも見たことがない。レンタルビデオショップで予告編が頻繁に流れていたので、興味が沸いて手にとった。

この物語は、ある正体不明の「事務局」が数億円のお金を掛金とするゲームに主人公ナオが巻き込まれていくもの。勝てば数億円が手に入り、負ければそれが負債となって必ず返さなければならなくなる。様々なステージを乗り越えてきた参加者が、この劇場版でついにファイナルステージに突入することとなった。

参加者は頭脳を駆使してお互いを騙し合い、賞金を手に入れようと躍起になる。今回の賞金は50億円だ。

この類の映画は最近多いが、やはり面白い。ゲームには様々なルールがあり、そのルールを上手く使ってゲームを支配していく。参加者の欲望。この映画の参加者達の行動は決して非現実的なものではないだろう。

人間の欲望というのは時に自分を躍進させるのに大きな役割を果たすときがあろう。しかしその欲望は他人をけ落とし、約束を破り、自己中的存在へと人を変えてしまう。

今回のゲームの名は「エデンの園」
アダムとイブから始まり、人間は本当に欲深き存在であると実感させられる。

ただ、ラストシーンでは信頼し合うことができた。単なるサスペンスではなく、色々と考えさせられるものだった。

2010年11月1日月曜日

『東京ストーリー①』 三井村再興!日本の起点日本橋の新しい姿。

日本経済の先行きに不安感がある中、東京の繁華街は賑わいを見せているように思う。全てが全て不況の波にさらされているわけではない。

有楽町西武や吉祥寺伊勢丹が店を閉じている中、日本橋の再開発が進んだり、銀座の三越が増床されたり。変化が激しい街東京。やはりここは世界の中でも有数の大消費地と言える都市である。

日本橋は三井発祥の地。延宝元年、三井の祖三井高利が越後屋をここ日本橋につくったのが始まりである。三越の本店があり、三井会館、中央三井信託銀行など様々な三井関連企業がひしめき合う。5街道の発祥の地でもあるここ日本橋。江戸時代には大いに賑わっていた場所である。


三井不動産社長は日本橋再開発に向けて意気込む。「国際的な都市間競争で東京が魅力をつけるには、地域が持ち味を発揮させる必要がある。日本橋室町東地区では、江戸の伝統と国際性を融合させた街を考えている。都心の渋滞解消計画に合わせ、高速道路のない日本橋を再生させたい(週刊ダイヤモンド2010年11月6日号)」

また、ここ日本橋を祖として栄えた企業は三井だけでない。現在も日本橋に本社を構える野村證券もその一つである。


今回紹介するのは、日本橋に新しくオープンした三井不動産が手がける「コレド室町」と、その隣の野村不動産が手掛ける「」だ。



三井不動産「コレド室町」
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コレド室町は若年ビジネスマンなどをターゲットにした店構え。高級料理店もあればラーメン店もある変わった商業施設だ。

日本橋ゆかりのお店入居し、新旧が交わる。伝統と革新を合わせた魅力のある店構えである。


「伝統を気軽に味わう『にんべん 日本橋本店』」
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入り口に入って左手。多くの人々が列をなすお店があった。それがこのおだし専門店「にんべん日本橋本店」である。1699年に創業した日本橋の老舗だ。

人々の目的は「だし場(バー)」。ここで一杯100円ほどでおいしい鰹だしスープを飲むことができるのだ。鰹だしスープといっても、ここで提供されるのはストレートな鰹のだし汁。かつおの風味を、何の邪魔もなくそのまま味わうことが出来る。これは新感覚。その安さから気軽に楽しめるのも良い。



野村不動産「YUITO」
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こちらはコレドと比較して「大人向け」。高級レストランやシミュレーションゴルフ、バーなどが立ち並らんでいる。

注目ポイントは、普段手がでないようなレストランで、気軽にランチを楽しむことができること。
普段は10000円以上するお寿司がお昼は2000円程度。このあたりにオフィスがあるビジネスマンはさぞ幸せだろう。私も休日のお昼に出向いてみたい。



日本橋に限ったことではない。東京では再開発が進んでいる。
やはりここは日本で一番刺激のある街だ。

2010年10月31日日曜日

映画 『ブッシュ』


第43代アメリカ合衆国大統領「ジョージ・W・ブッシュ」の人生を綴った映画。

最初はブッシュ大統領の批判映画だと思ったが、ただ批判するだけではない。

確かにブッシュの若き日々は人によってあまり良い印象を受けない内容であった。酒におぼれ、仕事はすぐにやめてしまう堕落した日々を過ごしていたのだ。

しかしキリスト教との出会いから人が変わっていき、大統領まで上り詰めたのだった。

そして泥沼化した悪名高い戦争「イラク戦争」を決断、実行する。結局大量破壊兵器は見つからず、戦争はどんどん長引いてしまったのだ。

ただ、冒頭で述べたとおり、私はブッシュをただ批判しているだけではない。この映画を見ると、イラク戦争を失敗したときなどは父に大きな声を上げ、怒られる夢を見て苦しんだり、息子が心配で夜も眠れない元大統領ブッシュ父などについて。最初は適当な政治家である。」という印象でしたが、話を良く聞くと同情をしてしまう。

一見の価値はありそうだ。

石井光太作 『地を這う祈り』




 石井光太は世界中の貧困層や障害者、病人などをテーマに様々なことを訴えかけるノンフィクション作家。

 このような本を読み、世界の貧困状況を知ると、自分の持つ悩みなどいかに小さいものかどうかがわかる。仕事は大変だといっても、私はとても幸せなのだ。

 今回この石井光太のトークショーに行く機会があったのでどんな会話があったのか記してみたい。


講演
出演者 石井光太 近藤雄生、松岡絵里etc
http://kotaism.livedoor.biz/archives/2010-09.html#20100930


近藤雄生
作家
「旅自体を生活にしたい。旅と短期間の非日常生活だから、それを生活の一部にするとどうなるんだろう」と、夫婦で旅に出た。
250万円用意して出発。ユーラシア大陸を横断したのに、それで100万円残して帰ってきた。




タイの残留日本人兵
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近藤さん「タイの在留日本兵に出会いました。在留日本人兵は今でも数百人~数千人います。私が訪れた村には4人ぐらいの在留日本兵がいました。中野さんという方に直接会ったのですが、全身タトゥーが入っている方で、強く印象が残っています。」
「実は6年くらいビルマと~の国境では今でも紛争が起きています。そこには昔日本の残留兵が紛争に参加していたりするみたいです。」
「旧日本兵はなぜ海外で留まっているのかというと、日本に帰れば戦犯で捕まってしまうからです。一方、現地にいても今まで国を攻撃した日本兵を受け入れられるはずがありません。旧日本兵は八方ふさがり、現地に溶け込むのは非常に難しい。それで彼らがしていたのが、地元の人々にか。日本兵の戦犯の話しをするというものでした。密告さらた日本人にとっては悪いのですが、そのようにして信頼を勝ち取るしかなかったのです。」

石井さん「実は私も先ほどお伺いしたその方と会おうとした。しかし、その方は逃げてしまうのだ。」
差別の中で生きていくことはすごいことである。過去の経験の辛さを思い出したくないため、突っ込んだインタビューをすると、時には沈黙するんです。その傷の深さが伺えます。」



おかま文化
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石井さん「イスラムのおかまは多い。結婚するまで性交渉は禁止さているから男に手を出したりする。」
「アフリカ人はマッチョが多い。アフリカでは男っぽいのが尊重されるので、おかまは非難の対象になりやすいです。しかもおかまは欧州の文化。アフリカは欧米にコンプレックスを持っているので、非常に非難されやすい立場にあるます。なので、アフリカのおかまは、『おかま難民』として東南アジアへ逃げるのです。東南アジアはおかまのフリーダムで英語も通じます。最近徐々におかま難民は増えているようです。ただ、アフリカの人々はマッチョなのでおかまには向いてません。だからあまりもてないのです。マイノリティーとなった黒人のおかまはマレーシアに集まる場所を作ります。そしてその強靭な肉体を利用し、暴力に走ります。黒人おかま窃盗団は有名です。」

「また、戦争でゲイに目覚める人はよくいるそうです。女も近くにおらず、楽しみといったら食事くらいなのでそうなってしまうのです。」

近藤さん「石井さんはゲイにもてるんですか?」

石井さん「ゲイにもてるみたいです(笑)。」

近藤さん「私の友達でゲイっぽい人がいるんです。それで、彼と彼の子供、私が3人でカフェにいるとき、周りから変な視線を感じました(笑)。」


近藤さんのオーストラリア旅行
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近藤さん「オーストラリアで旅をするとき、7万円でバンを購入。バンの中ですべて生活していた。ベットもあり、アイスボックスもあり、ガスコンロ等もあったので不自由はありませんでした。」

石井さん「奥さんとのセックスもそこでやるの?」

近藤さん「……あまり回数はありませんでしたが、バンの中です。」

石井さん「僕の場合、旅をするときは基本的に一人なんだよね。女の子が一緒にいる人を見ると嫉妬する(笑)。」

近藤さん「ものすごく安いバンでしたからね。毎日メンテナンスしていました。300km走るとタイヤのチェック、オイルの交換などをしていました。しかし7万円でバンを買ったんですが、12万円で売ることができたんですよ。その資金で東南アジアへ行きました。」


オーストラリア内の独立国家
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石井さん「ディープな人はいた?」

近藤さん「面白いおじいさんがいました。経済や土地などの関係で、所属する国家と対立などがあれば独立できるという制度があるようなんです。その方は法律に明るい方。なんとオーストラリア国内で独立宣言をし、オーストラリアに通告したようです。その国の名は「ハットリーバー公国」というそうです。」
「オーストラリアは当然のように無視したようですが、国際法の慣習上、独立宣言を2年間放置すると自動的にその独立国家を認めることになるようなんですね。後々オーストラリア国家と裁判沙汰になったようですが、おじさんは優位な展開を繰り広げたようです。」
「パルポートもあり、税関の判子もあります。その判子をパスポートに押すと、税関で『パスポートに落書きしないで下さい。』と言われるようです(笑)。」

「国民は30人程いるようです。そして驚いたことに5カ国ぐらいこの『ハットリーバー公国』のパスポートで行くことができたようです。国家と認めているのか、それともよくわからないから通しただけなのか定かではありません。」

「軍隊もいます。しかも、『戦争をすると国の地位があがるから戦争をしよう。』といって一日戦争をオーストラリアに通告したようです。しかし一日で撤回しました。」

石井さん「確かにアフリカでは戦争を使ってナショナリズムを向上させ、愛国心を養っているみたいですね。」

近藤さん「そうですね。そして、この国はひとつの観光名所となっているようです。将来は大学や病院にいこうと思っているようですが、メドはたっていません。」「国にある家はものすごく素朴です。奥様が皇后、ご主人が王様です。しかし、家からはいつもこんな声が聞こえます。
『おじいちゃん、目玉焼きできたわよ。』
『わかったよ。いまいくね』
そのギャップにいつも驚かされています。」


犠牲者ツアー
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石井さん「ケニアで選挙の暴動があった時がありました。このような事件を取材をするのは危険が付きまといます。そこで、記者は犠牲者の写真を撮るため、『犠牲者ツアー』なるものに参加します。車で犠牲者がいるところに案内されるのです。
「しかしここでの犠牲者とは、マフィアがボコボコにしたストリートチルドレン達です。自分の仲間をぼこぼこにして、記者たちに『これは政府にやられたんだ。ひどいだろう。』と言って記者に写真を撮らせます。」
「ツアーには10万円ほどかかります。記者は安全を保ちたいのでお金を支払います。また、犠牲者一人一人に料金を課すシステムを取るところもあります。」

近藤さん「具体的においくら程かかるんですか?」

石井さん「ツアー参加は5~20万円、写真一枚10、50、時には100ドルかかります。」



中国の反日デモ
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近藤さん「中国、反日デモがあった数年前。私は昆明で留学をしていました。周りでは大きなデモは起きていませんでしたが、反日のポスターがたくさん貼ってありました。」

「日本では反日デモが大きく取り上げられ、日系の企業などが痛めつけられている映像がよくテレビで流れていました。実際にそのようなデモが全国的に行われていないにもかかわらず大げさに取り上げます。しかし、それはメディアの責任ではありません。ニュートラルな立場にできるはずがないからです。事を大きくすることによって視聴者の目を向けるのです。」


刈上げ頭
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司会「頭を刈り上げた理由は何かあるんですか?」

石井さん「頭を刈られた理由?路上生活をしたりしていたのですが、頭を洗うのが大変なんです。だから頭も下半身も全部剃りました。現地では、頭も下半身も毛が生えていると、しらみがわくので剃るのは当然だそうです。」

近藤さん「彼女から何かいわれなかったんですか?」

石井さん「もちろん言われました。頭はともかく、下半身まで全て毛がないわけですからね(笑)。」


近藤さんの奥様
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近藤さん「妻はオーストラリアで留学していました。私がオーストラリアへ4,5日滞在したときに出会ったんです。付き合ってからは、毎日FAXしたり、1日おきに電話したり。バイト代を全てその費用に使っていたほどです。しかしさすがに彼女も毎日続くと嫌気がさしたようで、途中で拒否されるようになりました。そこで短期間でオーストラリアへ2、3度行き、妻を落としたのです。」


仕事のための浮気
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石井さん「仕事のためだったら浮気もしょうがないでしょう。」           
「私は仕事に対してストイックだと思います。起きてから寝るまで全て仕事。仕事のためにならないことはしません。デートも時間は無駄です。プレゼントは全部図書券がいいと思っています(笑)。逆に仕事のためとならば浮気もしますよ。」

石井さん「仕事につながらなければ友達とも会いません。」

近藤さん「やっぱり石井さんと僕は真逆ですね。東京に行くと、友達ばかりと会っています。」


石井さん近藤さんへの質問
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Q。結婚をどう考えている?

石井さん「女の子には興味がある。いつかは結婚する。書くのにために役に立つならばの話しです。ただ、将来僕の子供を持ちたちので、いつかは結婚したいと思っています。


Q。「海外での性処理は?」

石井さん「エロ本を3冊持っていきます。途中で見飽きるとバンコクで追加購入します。」
「日本のエロ本はクオリティーが高いので、わいろに使うことができるんです。1ページ渡せば、お金よりも大いに役に立つのです。それほど日本のエロ本はクオリティーが高いんです。」
「現地の性文化を知ろうと、現地のエロビデオを購入したりします。しかしクオリティーは悪い。女性がポテトチップスを食べながら正常位でやっているシーンが映っているだけのパターンもあります(笑)。」「アフガニスタンのエロビデオ屋さんではは捕虜が殺されるビデオも販売されています。」
「また話しは変わりますが、アフリカでは虎を捕まえ、華僑がその睾丸を切り取り漢方を作るようです。多くの虎の睾丸がアフリカから中国へ渡っています。

近藤さん「金玉からグローバリゼーションですね(笑)」


Q。旅がしたくて世界へ行ったのですか?本が書きたくて世界へ行ったのですか?

石井さん「旅はきらい。何かを調べるためにしか海外へ行ったことがない。」
近藤さん「最初は調べるために海外へ行ったが、途中で旅自体がすきになった。奥さんも旅が好きなんです。」


Q。「国内では何かやっているのか?」

石井さん「自殺の実態について調べたことがあります。」
「生活保護で自殺する人は誕生日に自殺する人が多い。老人ホームで自殺する人は天皇陛下の誕生日で自殺する人が多いようです。」
「樹海に行って死体探しに行ったこともあります。樹海は5m進むと真っ暗になります。樹海で死体を捜すのが専門の人がいたのでその人にアドバイスを聞きました。その人いわく、『日が射すところを探しなさい』と。そのような場所へ実際に行くと、死体はなかったが、そこには自殺のあとがあったそうです。また、薬害エイズの人は首を切って自殺する。なぜなら血が止まらないからです。自殺する人は自分の原体験をもとに自殺をする傾向にあります。」

近藤さん「イルカの問題について調査しました。欧米人とよく議論する機会があるのですが、イルカについての最大の関心ごとはその持続可能性。」「タイジ町のイルカ捕獲について。クジラと良く比べられます。欧米人はイルカは知能があるから捕獲するのはダメだというようです。私はその理由について納得しません。」                                               


松岡絵里
プロフィール
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作家
同じく作家吉田友和と共に世界を旅する。




海外のおもちゃ屋さん
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松岡さん「大連、大人のおもちゃ屋が多いんですよ。そして日本語表記が多いです。バイアグラがベイエグラと書いてあったりとかするんですよ(笑)。」

石井さん「そういえば日本のエロビデオは中国で衛星放送として流れていますよね。」

松岡さん「欧米には空港にAVショップがあります。中国にもありますよ。免税で売っています。しかし、税関でエロ本を止められたことはないのですか?」

石井さん「3冊あるうち、1冊税関に渡してわいろとするんですよ(笑)。」
「ホテルでエロ本読んだ跡片付けていなくて。一度掃除のおばちゃんに見つかったときがありました。おばちゃんの口から走り、ホテル中で大騒ぎになったとか。日本のエロ本は内容がやっぱり過激なんです。そしてその騒動、エロ本を従業員に見せることで解決したよ。しかも割引してもらった。」

女性に襲われたこと
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松岡さん「一人で海外にでる女性はよく男に襲われる話しを聞きますが、石井さんは女に襲われたことはあるんですか?」

石井さん「ありますよ。(実際にホームレスを体験するため)路上で生活していたときのことです。路上の女性達は生きるか死ぬかです。男を捕まえて豊かな生活を送ることを夢見ています。」

近藤さん「実体験はあるんですよね(笑)?」

石井さん「仕事上では・・・(笑)。しかし最近はありません。大学生の時は好奇心でありました。実際やらないほうがいい話しが聞ける時があります。」
「こんな体験もあります。取材のために、風俗店で働いているときがありました。そしてそこで恋愛関係になったことがありますよ。」
松岡さん「分かれるときになにか悲しくなったりするんですか?」

石井さん「泣かれたりするからね。でも取材しなきゃいけないから次に行く。ストーカーされたりするケースもありますが。」

松岡さん「近藤さんはどうなのですか?」

近藤さん「松岡さんこそは?うわきとかあるんですか?」

松岡さん「24時間一緒なのでそれは無理です。しかし日本人女性はもてます。なので海外に行くときもちがいいんですよ。」

石井さん「HIVの取材をする時の話です。HIV感染者は若い人が多い。女性の場合、HIVのことをだんなに言わないこともあります。話ができるのは取材をしている自分だけ。だから仲良くなると、相手から過剰に反応してくるときがありますよ。」


宗教と性
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松岡さん「宗教と性の関係は大きい。男性器が祭られているところを良く見かけました。ギリシャでも、アジアでも、日本でもそういうところはありますよね。」

石井さん「宗教と恋愛は似ています。宗教はすがりつきたい。そしてその心地よさがある。そして恋愛も疲れているときに女にすがりたいときがある、そして心地よい。すがりたい、依存したい、その気持ちは宗教も恋愛も同じだと思います。」

近藤さん「様々なものはある種共通点があるもの。性の問題は一番根源的なものですが、私は一番表現しづらいです。本を書く上でどのようにすればよいかいつも迷います。」


世界の美人
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松岡さん「一番きれいな人々がいた国はどこですか?」

近藤さん「トルコやイランですね。グルジアにはたくさんの美人がいると聞きましたが、別にそうでもありませんでした。ただ、グルジアは白人の発祥の地。それに関連して美人という観念があるのではないでしょうか。純粋な白人だからです。でも実際はそんなことはない。アジアの要素が少し入ったほうがきれいだと思います。」

擬似結婚
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石井さん「最近は貧乏な女性が海外の男性と結婚するパターンがあるんですよ。30万円が相場みたいです。最近外人の方が金持ちが多いのが理由でしょう。」
「しかし、しばらくはやっぱり一緒に暮らさなけばなりません。なので日本の女性は相手を多少選びます。」
「擬似結婚なので恋愛感情はありません。しかし一緒に暮らしていると恋愛感情もっちゃうものです。契約期間を超えれば離婚ですが、恋愛感情が本当に沸いてくる時が多いようです。」


世界の娼婦
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松岡さん「娼婦で変わった国はありましたか?」

石井さん「売春の形態は国によって全く違います。アフガニスタンでは写真アルバムを持つ人間が売春婦。アフガンでは顔を隠しているからです。アルバムに自分の写真があり、それで自分を売るんです。」
「女性の下着売り場の主人が売春の案内人だったりするところもあります。夫が入ってこないお店だからばれにくいのが理由です。」


ラブホテルの歴史
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近藤さん「よく外国人が安宿と間違えてラブホテルに泊まることがありますよね。外国人は日本の派手なラブホテルを見てびっくりしているようです。」

石井さん「ラブホテルは、実はオリックスと在日韓国人がつくったんですよ。宮内社長が在日韓国人に不動産を提供して、つくらせたのが始まりと聞きます。ラブホテルには言葉が必要ないからでしょう。」

松岡さん「近藤さん、海外でそういうとこにいったことは?」

近藤さん「いったところが結局つれこみやどだったというところはありますよ(笑)。」

石井さん「戦後はラブホテルがありませんでした。だから昔は路上で売春をやっていたみたいですよ。売春が多い通りでは、通行人はわかっているのでそれを無視して歩いていくようです。」


世界のセックスアピールポイント
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松岡さん「ポーランドはおしりを強調するようです。国によってセックスアピールは違いますよね。」

石井さん「そうですね。日本はおっぱいが一番じゃないですか。世界的にはおっぱいとおしりが多いのでしょうか。」

松岡さん「かわったセックスアピールをする国はあるんですかね?」

石井・近藤「知りません(笑)。」

松岡さん「それじゃあ、こんどのテーマはそれですね(笑)。」


各作家の今後の予定
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近藤さん「今後の予定がないところが今後の予定・・。ただ、今度あるのが湘南の風のメンバーが幼馴染なので彼に関する記事を書く予定です。もうひとつが、東南アジアから中国、そしてそこからヨーロッパに行きアフリカへ旅をする計画があります。そしてその後カフェを開きたいと思っています。」

石井さん「どんなカフェがいいんですか?」

近藤さん「ちいさなカフェです。京都に開きたい。人の繋がりをつくっていけるようなカフェがほしいですね。地元の人が定期的にきてくれるようなところがいいです。日本ってそんなところ最近すくないですからね。妻は全く同意していないんですが(笑)。」

松岡さん「今度PHPから世界一周のガイド本を作る予定です。そしてその後写真集を出版します。そして今出したばかりの『世界の中の一部』という本をシリーズ化する予定です。」

石井さん「11月の末に、日本にいるhiv患者について書いたルポを出す予定です。そして来年は貧困者の長編を書きたい。新書などもどんどん書きたいと考えています。」             

信じる力


「おまえ、宗教を持たないで暮らしていけるのか。」

 私が中東諸国を旅行しているときに言われた言葉だ。
 地元の住民達と仲良くなり、
「どの宗教を信じているのか。」
 と聞かれた時に、私が
「特に何も信じていない。」
 と答えた時の彼らの反応である。

 国・地域によって宗教とは生活の一部である。キリスト教徒は毎週日曜日教会へ行き、説教を聴く。そして地域に関わる様々な活動に参加したりする。また交友関係も同宗教内が中心になったりするのだ。

 「宗教は恋愛と同じだ。」
 私の好きな作家、石井光太の言葉である。
 恋愛はお互いの心を癒し、それぞれ依存する。人々の心を救い、豊かにする。宗教も根本的には同じであるという。
 
 無神論者が多いといわれる日本。そんな日本にも神社や寺があり、初詣にはたくさんの人々が集まり賽銭を投げてお祈りをしたりするのである。

 宗教が全く存在しないところはこの地球上に存在するのであろうか。私はないと断言してもいい。

 「私は弱い人間だ。」
 キリスト教徒であり、元外交官である作家佐藤優がこのような言葉を良く本に記している。私も弱い人間である。弱いところがない人間はいるのだろうか。否。人間は一人で生きていけない。また、共通のアイデンティティを持たなければ生きたいけない。それを保管する役割として宗教は人間の住むどの地域にも根付いていることだろう。

 ただ、いくら宗教が存在するといっても、宗教的意識が薄いのが確かなのが日本である。強い宗教心を持つ人間を偏見の目で見る傾向があったりもする。近年になるとそのような傾向はさらに強くなってきているのではないだろうか。なので逆に心が弱くなってしまう。精神的なことが原因で自殺・犯罪などが増えていってしまう。

 心のよりどころ。どんな人々も心のよりどころを欲していることだろう。

 宗教とは本質的に人々を救うものである。支えとなるものである。教えとなるものである。
 それは人々にとって必要不可欠なのだ。

2010年10月30日土曜日

日本よ、開国せよ


TPPとは・・・

・環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement:以下TPP)は、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポールの4カ国が参加する自由貿易協定であり2006年5月に発効した。
・TPP は、例外品目がなく100%自由化を実現する質の高いFTA である。物品の貿易、サービス貿易、政府調達、知的財産権、協力など投資を除
く幅広い分野を対象とする包括的なFTA であり、労働と環境も補完協定として協力が規定されている。
・TPP が戦略的協定とされているのは、APEC のモデル協定として作られAPEC 諸国の加盟を企図し、APEC のFTA 協定への発展性を内包してい
る点にある。
・当初加盟国に加え、米国、豪州、ペルー、ベトナムの8 カ国が交渉に参加しており、マレーシアが8 月に参加を決定した。コロンビアとカナダ
も参加の意向を明らかにしており、今後参加国が増加する可能性が高まっている。

http://www.iti.or.jp/kikan81/81ishikawa.pdf
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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の議論が日本中で大いに盛り上がっている。

 今まで韓国などにFTA交渉で大きく遅れをとっていた日本。日本経済の地位低下が叫ばれているのにもかかわらず、全く成長戦力が見えてこないばかりかどんどん遅れをとっている日本。この締結が遅れればその分相対的に競争力が低下していたが、このTPP締結によって一気に遅れを取り戻すきっかけを作ることができる。

 しかし、一番のネックはやはり農業。日本の農作物は世界的に見て高価格。安いものが入ってこれば日本産の地位は小さくなるのは必須であろう。ただ、日本の農業にも力を発揮するところがあるのではないか。ピンチはチャンスの裏返しである。日本の農作物は非常に高品質。中国の富裕層には人気なようだ。日本の技術力は産業分野だけではないのである。世界各国の日本産農産物に対する潜在的需要を掘り起こし、販売できる力は十二分にあるだろうし、そのようにしていかなければならない。

ただ、この国にはこのTPPが実行できる力はあるか。

 社民党党首福島みずほは言う。「様々な産業を破壊するのではないか。唐突に出てきて説明もよく分からないので、反対の立場で手をつないでいく」。
この言葉に日本政治の欠点がある。反対理由が「説明がよくわからないので、反対の立場で手をつないでいく。」というものだ。たしかに管首相が突然口にしたものかもしれないが、「よくわからないから先延ばし」でよいのか。このようなことを繰り返してきたから日本の政治的決断力は弱く、遅く、矛盾する。
反対を表明するのは良いが、それ相応の理由を考えてから発言して頂きたいと思うばかりである。


省庁間の対立もそうである。この国の政治的意思決定をするのは誰なのか毎度疑ってしまう始末である。経済産業省と農林水産省はそれぞれ、TPPにおける経済的効果を試算したが、両者共に各省庁の恣意性が極端に入った意味のないもの。前原誠司外務大臣は、衆院外務委員会で「各省庁から出てくる数字にはそれぞれの思いがこめられている。内閣官房で整合性をとることが大事だ」と述べ、官邸がリーダーシップを発揮するよう注文を付けた。全く持ってその通りである。

いつまでたっても成長しない日本の政治的意思決定力。民主党が掲げている「脱官僚」もこの様子ではあまり進捗していないのだろう。

 TPP参加にはまだ間に合う。この千載一隅の大チャンスを活かし、日本経済の活性化に繋げて欲しい。そのためには官邸の強いリーダーシップが必要であろう。


TPP「参加準備に着手」=慎重論にも配慮-民主提言へ
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010102801079

TPP:混迷深まる 司令塔なく省益先行
http://mainichi.jp/life/today/news/20101028ddm008020059000c.html?link_id=RLH03

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の概要と意義
http://www.iti.or.jp/kikan81/81ishikawa.pdf

2010年10月3日日曜日

映画『ミスト』


★★★☆☆

フランク・ダラボン監督、スティーブン・キング原作。
この2人は『ショーシャンクの空に』や、『グリーンマイル』など数々の名画を創り上げてきたコンビだ。

上記2作を制作した2人だからどんな映画であろうと期待をして見た。結果、完結に言うと内容としては良いものだと思うが、CGのクオリティーがあまり良くないのが残念だった。


前夜の大きな嵐で家の大部分が崩壊。家の改修のため、主人公はスーパーマーケットへ息子と買出しに向かった。スーパーで買い物をしている間に、スーパーの外が大きな霧(ミスト)に包まれる。街全体がミストに包まれているのだ。

一度ミストの中に入ると見たことも何様な怪物に襲われ、命を奪われる。スーパーに残された人々はパニックに陥り、醜い争いを始めるのであった。

ラスト15分は衝撃のシーン。さすがスティーブン・キングである。


この作品の一番の見所は、人々が精神的な窮地に立たされた時に一体どんな行動を取るかということである。この映画に描写されている人々の行動は、あまりにもリアルである。

お互いを信頼し、自らの信条の元、モラルを持って生活をする。このような人々は、果たして極限の窮地に置かれた時も同じような行動をするのだろうか。不信感を募らせ、選択肢がないまま死と隣り合わせとなれば、選択肢を示す宗教などに縋っていく。そして人を憎しみ、最後には殺めてしまう。


残念ながら、人間の行動や精神は良くもあり悪くもある存在なのだ。それはいつの時代も変わらない。

2010年9月20日月曜日

『国家の罠 -外務省のラスプーチンと呼ばれて-』佐藤優著



 大学時代、一度外交官になりたいと思っていた私。そんな私にとって外交官の実務的な事が多くかかれているこの本は私の好奇心をそそる。

 「国家の罠」。
 このようなことが本当にあるのか。私は目を疑った。

 「国策捜査」。本に出てくる西村検事はこの言葉を多用する。

 「これは国策捜査なんだから。あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。国策捜査は『時代のけじめ』をつけるために必要なんです。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです。」

 「時代のけじめ」。本書によると、佐藤優はこの鈴木宗男事件が、日本の「国際協調的愛国主義」から「排他主義的ナショナリズム」へ、「公平配分モデル」から「傾斜配分モデル」への転換を促進しているという。

 簡単にいうと、内政上は競争原理を強化することによって競争原理を強化させ、国力を強化すること。そして外交上は日本人の国家意識、民族意識が強化されるということだ。小泉政権は「小さな政府」を目指し、「靖国問題」や「北朝鮮拉致問題」が顕著化しナショナリズムが強化された。まさにこの流れと合致する。

 鈴木宗男はニューディール政策のような公共事業による経済活性化を図る「公平分配モデル」に近く、北方領土支援事業などを行う「国際協調的愛国主義」路線に舵を取っていた。宗男氏は時代の転換を促進するためのきっかけとして格好の標的であったのだ。そして、著者佐藤優はそのきっかけとして逮捕されることになる。


 ロッキード事件、リクルート事件、ライブドア事件、そして現在も大きな議論となっている小沢一郎事件。

 これらはすべて「国策捜査」なのか。

 本書によると、「国策捜査」の適用基準は一般国民の基準であるようだ。


 「一般国民の目線で判断するならば、それは結局、ワイドショーと週刊誌の議論で事件ができていくことになるよ。」
 著者は言う。
 「そういうことなのだと思う。それが今の日本の現実なんだよ。」
 西村検事は言う。


 日本の法治システムは本質的に機能しているのか。選挙に選ばれぬ国家権力が選挙に選ばれた罪のない国会議員を権力の座から落としていく。

 民主主義国家日本?法治主義国家日本?
 この国は闇に包まれている。


 いずれにせよ、この事件を作り上げようと立ち上がった人物は、一体だれなのだろうか。

2010年4月4日日曜日

景気指標から「今の経済を読む」 第2回(2010.4.W1)

先週から始める『景気指標から「今の経済を読む」』。

小宮一慶著『日経新聞の数字がわかる本』

週刊東洋経済2010320日号『データが読めれば経済がわかる!』

を読んで、経済データを読むだけで景気の大枠をつかむことができることを知り、早速経済分析を始めてみました。

毎週月曜日に日経に掲載される「景気指標」を読み、経済を読み解いていこうと思います。毎週月曜日更新目指します。

自分の勉強用+自己満なので拙い部分が多いだろうと思います。注意して読んでください。

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「デフレと資源高は大きな悪材料。業績回復基調にあるものの、設備投資は増えず。二番底懸念は遠のいたが、本格的な回復は遠い。」

日本内需の大きな回復よりも海外外需に依存する日本経済。製造業、サービス業共に業績は回復傾向にあるが、輸出が大きく伸びていることからわかるように外需の影響が大きい。残業が増えるだけで、新たな雇用には結びついておらず、内需の拡大も見込めない。外需を引っ張る製造業はデフレと資源高に見舞われ、先行きは不透明である。外需に頼る今の経済は長期的に回復傾向にあるとは言い難い。

先週の主な景気指標

国内

2月大型小売店販売額(経済産業省)
2
月小売業販売額(経済産業省)

2月失業率(総務省)
2
月有効求人倍率(総務省)
2
月全世帯家計調査・消費支出(総務省)
2
月鉱工業生産・速報(経済産業省)

日銀短観(日銀)

※赤字は今週の景気指標で変更した箇所

景気全般:足元では全体的に景気回復の兆候が見られる。

 景気動向指数(CI)(2010.1)の一致指数は100.1と、前月97.4を上回り100を超えて景気が拡張局面にあることを示している。

日銀短観(3月)の企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でマイナス14となり、新基準で算出した前回(マイナス25)から11ポイント改善した。3か月先の見通しは改善だが、改善幅は縮小。

だが設備投資にはつながらず、依然低水準。設備投資額の減少率は縮小しているものの、大企業全産業は前年比-0.4%。上昇しているのは中堅企業の製造業のみで、前年比4.2%増。

ただ、ソフトウェアを含む設備投資だと大企業全産業は前年比0.7%増となり、全体的に減少率は縮小する。ソフトウェアに対する設備投資は多いようだ。

本格的に増産体制に移り、設備投資が増えなければ経済の大きな回復は見込めない。2番底懸念はあまりないが、本格的な回復にはまだ時間がかかりそうだ。

製造業:生産も回復に向かうが、まだ不安が残る。

 新興国の輸入、政府によるエコポイントやエコカー減税などによって製造業全般の生産高は回復基調。鉱工業生産指数(2010.1)は91.3と、前月比0.4%減。減少は1年ぶり。

輸送機械工業(自動車など)の生産は前年同月比78.4%上昇しているが、前月比では2.5%の低下。トヨタのリコール問題が影響しているとみられる。

製品在庫は前月比1.0%上昇と2ヶ月連続の上昇。在庫率は111.00.8%上昇し、未だ在庫超過が続いている。在庫の上昇に寄与したのは情報通信機械(液晶テレビなど)、鉄鋼業、石油・石炭製品工業である。液晶テレビなどは4月に一部基準が厳格化されるエコポイント制度で、エコポイント対象外になった液晶テレビの在庫が増加しているようだ(日経)。

製造業は回復基調にあり、二番底の懸念は遠のいたが、成長に限界が見えてきた格好だ。外需に頼っているばかりでなく、内需を喚起しなければ更なる大幅な回復は難しくなりそうだ。ただ、製造業には、「デフレと資源高」の問題にも直面している。

自動車産業:エコカー減税の効果か?自動車産業回復基調。

新車販売台数(2010.2)は45.8万台と、前月の36.7万台を上回り、徐々に回復傾向。リーマンショック(2007)の1か月平均44.3万台を超えた。小売業販売額(2月)は前年同月比4.2%増だったが、うち自動車小売業は15.0%と大きく寄与した。自動車産業の回復は、日本に大きな影響を与えている。エコカー減税の効果が大きいことがわかる。エコカー減税は2012年3月まで適用されるので、当分の間、自動車業界は政策の恩恵を受けることができるだろう。

ただ、何故か家計調査消費支出は0.5%減少で、そのうち「自動車等関係費」寄与度は0.76のマイナスである。家計調査のサンプル数は少ないため、統計上の問題があると聞くが、何が原因で「小売販売額」と家計調査」の差は生まれるのだろうか。販売台数は増えているが、販売額が減少しているということだろうか。

消費:わずかに減少。電機、エコポイントで堅調。自動車消費減少。

消費支出はGDPの55%を占める注目すべき指標である。

2人以上の世帯の消費支出(2月)は物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.5%減少した。7カ月ぶりの減少。だが、液晶テレビなどの電機商品の、消費支出実質寄与度は0.42。エコポイント制度は4月から一部変更。適用基準が厳しくなったので、一部エコポイント対象外となる液晶テレビへの駆け込み需要などが大きく影響しているようだ。減少したのが自動車や葬祭費などの費用。中古車、新車販売台数は、前年同月比ともに増加しているが、販売額は減少しているということだろうか。

小売:小売販売額は過去2番目で大きな伸び。

小売業販売額(2月:速報)は前年同月比4.2%増の103970億円。過去2番目に大きな伸びとなった(日経)。ただ、依然リーマンショック(2007年)348630億円の3分の1程度。景気は回復基調にあるので、更なる増加が期待できる。衣服、飲食、自動車、機械、燃料など幅広い分野で伸び、特に自動車(15.0%)、燃料(20.7%)、機械(8.6%)が大幅に上昇した。ただ、百貨店やコンビニなどの各種商品小売は4.5%減少し、全体の伸びを引き下げている。特に百貨店などの大規模な小売店の下げが目立つ。

物価:デフレと再び巻き起こる資源高。

国内では2008年度より消費者物価指数が下落し、デフレが続いている。消費者物価指数(2010.2)は99.2と、前月の99.2と横ばい。ただ、前年比では-1.2とデフレが縮小する兆候はない。反面、輸入物価指数2010.2)は前月比-0.6だが、前年比では8.0増と上昇傾向に。中でも石油・石炭・天然ガスは前年比22.9、前月比0.5の大幅増。金属・同製品は前月比では-2.4と縮小しているもの、前年比7.3と大きく増加している。

ブラジル鉄鋼最大手ヴァーレが価格決定方式を変更し、中国の強い需要を背景に鉄鋼価格を114%上昇させると発表する(ロイター)など、再び資源高の兆候がみられる。しかし、日本は今デフレの最中。原料価格の下落を製品価格に転嫁しづらい状況が続く。

製造業は徐々に生産を増やし、回復傾向にあったが、まだ新たな設備投資につながっているほどではない。また、デフレと資源高が続くこの局面では、当分の間業績の急回復は望めず、逆に再び失速する恐れがある。

ヴァーレが新方式によって鉄鉱石価格を上げるのは4月。鉄鉱価格は、鉄鋼業界はもちろん自動車産業や電気機器など多岐に影響を及ぼす。二番底の危機は間近に迫っているようだ。

第三次産業:サービス産業は大きく回復。

第3次産業活動指数(2010.198.7と、22年ぶりの大幅上昇(ロイター)となった。指数に組み込まれる13業種のうち、卸売、小売業が5.2増と大幅に増加。減少したのは3業種で、金融・保険業が1.1減。

ただ、依然サブプライム・ショック(2007)時の103以下。更なる成長の余地がありそうだ。

貿易:3か月連続で前年比2ケタ増

通関ベース貿易収支(2010.2では、前年比45.3%増、貿易黒字は前年比でなんと818.8%も回復した。国内の需要が減る中で、海外の需要によって経済が回復する流れが鮮明になっている。

主に回復した製品が、自動車で105%増。自動車部品は121.7%増で、半導体も69.1%増加している。主な輸出先はアメリカ、中国を含むアジア諸国。特に中国への輸出は前年比79.9%増加し、米国の24.2%を大きく上回る上昇だ。これからも中国は日本最大の輸出相手国として大きな存在となっていきそうだ。

雇用:雇用は横ばい。製造業、第三次産業などは回復傾向にあるが、持続するか不透明。よって雇用の回復は当分見込み辛い。

所定外労働時間全産業(2010.1)は前年比4.4%増と、前月-3.2%と比べて増加傾向にある。残業は業績によって一番先に増減する部門なので、足元の業績回復を表しているようだ。長期的には依然不透明な部分が多いが、雇用関係の指標は小幅に回復しつつある。有効求人倍率(2010.1)は0.47倍で前月0.46倍と若干回復、完全失業率は4.9%で前月4.9%と横ばいだが、未だ低水準が続く。現金給与(2010.1)も前年比-0.2、前月-5.9%。

だが、雇用が本格的に回復しない限り、国内需要は増加し辛い。デフレが続き、業績が縮小、賃金が悪化し雇用も伸びない。日本経済はまさに「デフレスパイラル」の最中にあるといえそうだ。