2011年11月26日土曜日

オタク文化をかっこ良く ~もしもAppleがOSシェアを独占していたら?~


コンピュータに詳しいとなんだかオタクみたいに思われることがある。
それも当然だろう。ごちゃごちゃしたコードやチップを組み合わせたり、不可解な文字を打ち込んでプログラミングをしたりするなんだかよくわからない。しかも詳しい人にはオタクのような人も多く、そのオタク好みのような製品が多いからである。

しかし、「パーソナル・コンピュータ」を世界で一番初めに普及させた者の考えは違う。彼は「どの家庭にもあるような家電のように、誰にでも使いやすく、誰にでも親しみやすいデザイン」を追求した。その人物はスティーブ・ジョブスだ。



1970年代前半、天才プログラマー、スティーブ・ウォズニアックはテレビ画面に文字を直接入力し、表示させる今のパーソナル・コンピュータの祖となるものを開発した。それは後に「AppleⅠ」と名付けられる。ウォズニアックは当初当時通っていた技術者が集まるクラブで無償配布し、プログラミング・マニアの間で広がっていけば良いと考えていただけだった。

しかし彼の親友であるスティーブ・ジョブスはそれを止め、AppleⅠを元に会社を起業してビジネスにしようと提案。「Apple Computer」を設立。そしてそれは大成功を収める。

続いて、AppleⅡ、Lisa、Macintoshなどを開発。ウォズニアックは技術者として天才で次々と開発していったが、依然「マニアや専門家が喜ぶようなもの」として考えていた。しかしスティーブ・ジョブスは前述の通り、「どの家庭にもあるような家電のように、誰にでも使いやすく、誰にでも親しみやすいデザイン」というコンセプトを譲らなかった。それは何たるものかをとことん探求し、百貨店メイシーズを歩きまわって家電のデザインを参考にコンピュータを形作っていた。

結果、コンピュータの普及は一般の家庭にも広く及んだ。



だが、スティーブ・ジョブスのAppleは常に順風満帆ではない。Macintoshで進めていた「GIF(グラフィカル・インター・フェイス)」の技術・アイディアを、当時提携していたビル・ゲイツ率いるマイクロソフトに持ち出され、Macintoshより先にWindowsを発表。Windowsは徐々に勢力を広げ、PCのほとんどはWindowsが占め、現在に至るようになった。



ところで、ビル・ゲイツはジョブスのように「誰にでも親しみやすい」を追求したのだろうか。
ジョブスは言う。「マイクロソフトが抱えている問題はただ一つ、美的感覚がないことだ。足りないんじゃない。ないんだ。」
私も同感である。Appleが生み出すコンピュータはどれもかっこよく、細部までこだわりが感じられる。最近のAir Macなどは「どこにおいてあっても違和感のないデザイン」に仕上がっている。それに比べ、ウィンドウズは最近になって少しデザインに力を入れているように感じるものの、「誰にでも親しみやすい」とは言えないものが多い。

長くパーソナルコンピュータの世界ではWindowsがその地位を独占している。しかしそのような世界には、ジョブスが言うように「美的感覚がない。」。結果、PCといえば「オタクが大好きなもの」というイメージが世間に定着してしまった。



もしもWindowsに先をこされることなく、AppleがPC市場を独占していたら。今のオタクはもう少しかっこよく思われていたかもしれない。

2011年9月10日土曜日

映画『ブラックスワン』



これが一流の映画なのか。


ありきたりのアメリカ映画ではない。


見れば見るほど、どんどん映画に引きこまれていく。


スリルがあり、官能的であり、ストーリー構成も素晴らしい。


ナタリー・ポートマンの熱演。


感情の激しくこもった演技は、観客を圧倒する。


この映画を見た後、今まで見てきたほかの映画は単なる安物にしか見えない。


必見である。

<鉢呂経産相>辞任 繰り返す閣僚の辞任

「死の町」
「放射能を付けたぞ」

福島県を訪れ、こんな言葉を残した鉢呂経済産業大臣が辞任した。

閣僚の失言。

日本の閣僚は失言によってよく辞任する。


原因は
①政治家のモラルが低い。
②党内融和を先行する素人内閣が多い。
③メディアが大きく取り上げ、国民もそれに過剰に反応する。


②については前投稿に詳細を述べた。私が今回危惧するのは③である。


一度失敗した時、新たな信頼を取り戻すのは非常に難しい。
いくらその人がすごくても、一度失敗をしてしまうと信頼を取り戻すのは非常に難しい。
平凡で何も問題を起こしていない人の方が相対的に信頼を得ることになる。
だから少しでも失敗すると、大きな命取りである。
日本ではそれが顕著。


だが、過剰に反応しるぎるのもどうかと思う。

確かにモラルを欠いている。
間違いなく被災者の気持ちを逆なでしている。


しかし、視点を変えると大臣が頻繁に交代して国政が麻痺することも大きな痛手である。
国益を大きく害している。


その最も足るのが内閣総理大臣の頻繁な交代だ。


日本国民はもっと全体的な視点で物事を判断する必要がある。
失敗は誰にでもある。もう少し寛容な心が必要なのではないか。

素人内閣の弊害

野田政権は挙党態勢を築くため、そして自らの政策を円滑に進めるために閣僚人事を練った。


まるで自民党政権の派閥政治が復活したかのごとく、各グループに配慮して閣僚を配置し、
まるで財務省の意向である財政健全化を進めるかのごとく、財務省関係者が重職に就いた。


ただ、ここには大きな弊害が生まれた。
閣僚は専門家ではなく、「素人」が多いのである。

玄葉外務相
国家戦略相などを歴任したが、外交分野はほぼ経験がない。
ここに海外人脈が豊富な前原氏を置くべきである。

安住財務大臣
NHK出身。国対委員長などを歴任し、党内調整に奔走した。
財務関係には全く経験がない。日々財務官僚に囲まれて勉強している。

鉢呂経済産業大臣
農協出身。失言多し。地元北海道の農政には強いようだが。

一川防衛相
「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」
認証式前の発言。
海外にどう伝わると考えてこう言っているのか。国民がどのような気持ちでこの言葉を聞くと思っているのか。正直怖い。こういう穴を海外は逃すことなくついてくる。
「閣僚解任に値する。任命した野田佳彦首相の見識も問われる」
自民石破政調会長の言葉の通りである。

藤村官房長官
野田氏と仲が良い。経験少なく、未知数。
元日本ブラジル青少年交流協会事務局長

山岡国家公安委員長
元国会対策委員長。小沢の側近。小沢に配慮した人事。
拉致被害者家族会の緊急集会では、出席者から激しい野次を受けた。拉致問題に一切関わった事がない事に加え、拉致被害者の家族から被害者が拉致された年月日を教えられた際、「私が初当選した年だ」と嬉しそうに語った事も反感を強めたとされている。

自見金融大臣
医者。ハーバードで研究員を務めるなど、医師としての経歴はすごい。
ただ、金融行政に関する経験はほとんどなし。連立を組む亀井氏の後任、国民新党の重要政策郵政改革を推進するためのポジション確保のためだけ。


経験が浅い方々が多い野田政権。
一番怖いのは、このような隙を逃すことなく突いてくる海外各国である。
閣僚人事の殆どが国内向け。当然である。選挙は国内に向けて行われるのだから。
だから日本の政治は3流と言われるのである。

2011年9月7日水曜日

野田政権 ~間接民主主義により生まれる日本の首相~

「アサガオが美しいのは、夜の暗闇と冷たさがあるからなのだ。」

民主党代表選の野田首相演説。私はこの言葉を聞いて素直に感動した。

野田首相は当選5回。しかし1度落選を経験し、浪人を経験。昨年財務大臣に就任するまで、千葉県船橋市内の各駅で演説を続けた。

「政治活動の原点。一日演説すれば0.5ミリ前進。怠ればどんどん後退。前日の夜が遅くとも、体調が悪くてもとにかく立つ」
政治家は選挙の時しかみないが、野田は違う。地道に、市民に訴え続けたのである。私はそんな野田の直向きに努力を続ける姿勢がとても好きだ。


野田は今まで理想主義だった鳩山・菅とは違う現実主義者。増税を前面に掲げ、鳩山が掲げた「東アジア共同体」や、菅が掲げた「脱原発路線」などの理想的な路線から踏み出し、現実を見極めた上で政策を遂行していく。言葉は常に慎重だ。

現実主義を円滑に実行すべく閣僚人事にも気を配った。小沢を敵対視することなく、内へと取り込む。興石幹事長がそのシンボルだ。また、財務関係の素人である安住を財務大臣に据えたのは、首相自身と同じような考えを持つ財務官僚の意見を素直に吸収してくれるし、自身と財務省の橋渡しにもなりやすいからであろう。

野田首相のリーダーシップの元、民主党は本当に挙党態勢を目指して頑張っているように見える。ただ、よくよく考えてみると、野田政権はかなり内向きであることがわかる。

海外より国内。日本の政治によくみられる。
米軍基地問題や自衛隊活動などがその典型である。

今回挙党態勢を築くべく、党内のバランスを考慮した閣僚人事を行った。ただ、それはほとんど内向きの姿勢である。財務大臣である安住は先程述べたとおり素人。外務大臣に就任した玄葉だって外交に関しては素人であると聞く。そのような者に重要閣僚を任せていいのか。官僚のいいなりになり、ただ省益を求めるだけの操り人形にはならぬのか。

米国では閣僚に専門家が就くことが多い。任期も比較的長く、如何なくリーダーシップを発揮できる。専門家vs素人。大学の教授と学生が同じ土俵で戦うようなものである。不可能ではないが、かなりハンデがあることだろう。

だから日本の政治は3流と呼ばれる。だから日本の対外交渉力は弱い。

この原因は首相を選任する際に間接民主主義が取られていることに起因する。国会議員が首相を決めるから、内向きの馴れ合いがひこ起こったり、党内対立などが激化したりする。ある議員が押した議員がその対価としてポストを得られる。「挙党態勢」を築くためである。よって素人でも構わない。

米国では国民が直接大統領を選ぶ。そこには、日本ほど国会議員同士の馴れ合いは起きにくい。自分の政策の素晴らしさを説得する対象は、国会議員ではなく国民だからである。よって閣僚人事も、大統領がリーダーシップを発揮しやすく、日本よりその道のスペシャリストが就任する。

この力の差は対外交渉力に大きくでることだろう。


野田政権の船出は順調である。ただ、それは日本国内のこと。世界に対してはどう動くか。それが今後より問われてくることになろう。

世界に挑む素人集団野田内閣。演説がうまいだけでは、世界に誇る日本を築くことは難しい。

2011年4月19日火曜日

映画『マイレージ・マイライフ』





10000マイルを獲得したのは世界で4人。5人目になるべく出張を重ね、アメリカ中を飛び回るビジネスマンを演じるジョージ・クルーニー。

「結婚しても得することなんてない。」

空港と飛行機が我が家であり、添乗員が家族のような存在である主人公。しかしその反面、一人であることも寂しい。

主人公は働く人々に解雇を言い渡す仕事。解雇と雇用が日本よりも頻繁に起きる欧米の実情がよくわかる。ただ、そんな欧米社会においても解雇を言い渡されるのは辛い。もちろん、解雇を言い渡すのも辛い。


私は大学生の頃、長期にわたって海外を一人で放浪した。一人で旅することが楽しかった。何よりも自由だった。ただ、時々寂しさを感じた。旅をしている時に一緒に旅をした人もいた。恋しているのかと錯覚したこともあった。しかし、離れてみると、それは恋ではなく、ただ寂しさを紛らわすための気持ちだった。その時は一人で旅することを非常に楽しんでいたが、一生一人でいることはやはり無理なのだと気づいた。人は一人じゃ生きていけない存在なのだ。

その事を再認識した映画だ。

まだまだ書きたいことはたくさんあるが、ここまでにしておく。

とにかく、この映画はとても良い映画だった。

2011年3月12日土曜日

地震援助で活躍する著名人

孫正義:SMS(ショートメッセージ無料化)
勝間和代:ボランティア活動、募金集め
堀江貴文:寄付&ツイッターによる被災者情報拡散
原口議員:ツイッターによるボランティア活動に関する情報&被災者情報拡散

みなさん素晴らしい方々です。

地震大国日本の強さ ~SNSとインフラ~

日本の地震対策はすごい。

私が電車に乗っている時、突然急ブレーキがかかった。その後すぐに地震がやってきた。
電車は地震発生を予測し、その数秒前に電車が止まる仕組みになっているようだ。
その正確さに驚いた。

しかも今回活躍するのはSNSやツイッターといった新たなITインフラである。災害時には携帯電話が全く使えない状態が続き、通信インフラが麻痺する。そんな時に比較的オープンなのがインターネットである。

ツイッターを見ていると、身元確認だったり、ボランティアを行う際の注意事項などがリアルタイムで集められてくる。著名人にリツイートをお願いし、ツイッター利用者全てに情報を伝達。フェイスブック、グーグルにも被災者情報が飛び交う。

救援活動や被災者に対する注意事項も書かれている。ツイッターはもちろん有志だ。日本人の助け合い精神の高さが伺える。

CNNの専門家は言う。「日本の国民はミラクルだ。被害は確定しないが、他国だったら数倍の被害になっていただろう。ハイチの500倍以上の威力の地震で津波到達まで5分しか時間ない中で、信じられない対応だ。この国民には常に準備がある。この国は常に事態に準備ができるのだ。」

早期復興を願うばかりだ。

ツイッター:http://savejapan.simone-inc.com/
Google http://japan.person-finder.appspot.com/?lang=ja
CNN:Japan prepared well for tsunami
http://edition.cnn.com/2011/OPINION/03/11/moore.japan.tsunami/index.html?hpt=T1

災害時の温かさ~東日本大地震より~

ものすごい揺れだった。

東葉高速線に乗り、もう少しで飯山満駅に到着するところ。
「列車が急停止します。ご注意下さい。」
と車内アナウンスが響き、突然急停車。そして急停車してからすぐに大きな揺れが襲った。
電車の復旧めどがたたないことを理由に電車を降り、線路をつたって駅へ行く。
そこからバスでとりあえず船橋へ向かい、電車が復旧するのを待つが、目処が立たない。バスで帰ろうとするが、渋滞がひどいようで、バスはなかなか来ない。昼間動いていたのでコートを着ていない自分。とても寒かった。そんな時、バス停ですぐ私の後ろに並んでいた女性が、
「スーツだけじゃ寒そうですね。よかったらこれをどうぞ。」
と言ってホッカイロをくれた。非常に助かったし、とても嬉しかった。

30分程してもバスが来ないので、歩いて江戸川区の自宅に行くことにした。皆考えることは同じなようで
歩いて2時間半、行徳にある小学校の明かりがついていた。中を覗くと、緊急避難所として体育館が開放されていたのだ。
「どうぞ。毛布をもってストーブの近くで温まって下さい。」
小学校の教員とみられる人々が暖かく迎えてくれる。本当に歓迎してくれているのだ。
私はストーブの前へ行き、体育用のマットの上で寝た。マットも予め用意されていた。
少々寒かったが贅沢は言っていられない。

翌日。東西線がようやく復旧し、帰路に立つことができた。


私は愛知県出身であるが、東京に来た時に、
「この街は人と人とのコミュニケーションが薄い。」
と感じていた。都会特有の雰囲気である。しかしそれは偏見だった。
皆が困っている時はお互いに助け合い、励まし合うのだ。
地震自体は厄災であるが、人々の心温かさを感じることができる良い機会であった。

2011年3月6日日曜日

漫画『サンクチュアリ』



こんな漫画があったのか。
しかも発行されたのは1990年である。

「首相公選制」。

私は小泉政権が崩壊し、その後首相が約1年ごとに交代してしまうようになってからこれまでずっと必要だと思っていた政策だ。それを、1990年の時点で唱えていた。しかも、全く信用されぬようになった政治制度への強い抵抗論を唱えているのである。1990年初めといえばまだ日本の経済力は世界に誇る水準であり、バブル景気の中にある時代である。そんな時から現在の政治体制に異論を唱え、日本を改革する漫画が存在しているとは思いもよらなかった。

日本はまだ腐りきっていない。世界に誇る国である。問題は政治。しいて言えばその政治制度に大きな問題があるのである。

国の代表となる首相が1年で崩壊してしまうこの異常事態。政治改革が全く進まず、いつまでも過去から姿を変えぬこの日本。

その原因は政治の強力なリーダーシップ、更に言えば首相がリーダーシップを発揮できない政治制度。そして国民の政治に対する無関心。特に若年層における政治の無関心さにある。

米国や他の先進諸国、目覚しい発展をとげている国々では大統領、もしくはそれに当たる地位にあるリーダーが強い指導力を持っている。それは国民から直接選ばれ、任期の間はその職務を全うし、自身の政治理念を強力に推進し、実現させようとする。日本でこのようなことを起こすには、小泉元首相のような人物が現れるまで待つしかない。それではこの日本は大きく出遅れてしまう。

このサンクチュアリはこの問題点を上手く捉えている。


「教育と開国」

さらに、この国に必要なのは教育による日本国民の意識改革である。
私はある高齢者から、
「昔は仕事に就くことができるだけでありがたかったんだ。仕事さえもらえるなら、私たちはどれだけでも一生懸命働いたよ。」
今の若年層でこのような言葉を吐く者はいるだろうか。この問題の解決に必要なのは教育であり、日本の開国である。経済面でいえばTPPのような自由貿易、人材面でいえば外国人労働者の受け入れだ。競争にさらされることによって初めて国民は動く。さらに、その競争に打ち勝つことができるようなハングリー精神を持ち、グローバル社会で戦える人材を育てる教育が必要なのだ。

このサンクチュアリは見事にこの本質を捉えている。


政治制度に関することではなく、この国の「希望」に対する若いパワーによる改革への思いと、その実行力、そして背景をここまで描き上げたことに感動する。


全ての人々に贈りたい作品である。

2011年2月26日土曜日

スティーブジョブスとビルゲイツ


今日TSUTAYAのオススメコーナーに映画『PAIRATES of SILICON VALLEY』という映画があった。スティーブジョブスとビルゲイツの歩みについて描かれた映画だ。

二人の偉大な経営者が行った事業はまさに世紀の革命であり、世の中を大きく変えた。今私がこのようにPCを使ってブログを書いたりすることができるのも、この2人のお陰である。

コンピューターを世界で初めて大衆に販売して成功を収めたのはマイクロソフトではなく、実はアップルコンピュータ(現アップル)だ。この映画によると、ビルゲイツがスティーブジョブスに近づき、発売前のマッキントッシュを借入れ、改良して先行発売したのが「ウィンドウズ」である。先にマーケットを手にしたウィンドウズは市場において優位に立ち、アップルを大きく引き離した。そして、CEOビルゲイツは世界一の大富豪となったわけである。

この映画は最後の勝者はビルゲイツであると締めくくられる。スティーブジョブスの独裁性も強調され、暴君の成れ果てとしてスティーブジョブスは哀れに映しだされていた。

しかし、2011年現在はどうだろうか。アップルがインテルを搭載したコンピュータを発売し、iPod、iPhone、iPadを発売し記録的なヒットとなった。ジョブスは新たな革命を起こしたのだ。そしてマイクロソフトの時価総額をアップルが追いぬき、今や世界No.1のIT企業としてその地位に居座るのはアップルであり、スティーブジョブスである。

コンピュータ自体、ウィンドウズよりアップルの方が私は好きだった。ジョブスの「美」の追求が生み出したかっこいいコンピュータの数々。インターフェイスの美しさ、そして使い勝手の良さ。コンピュータとしてはウィンドウズよりもアップルの方が私は好きだ。

ジョブスはビルゲイツにやられた。マッキントッシュを改良したもので市場を独占することで、ウィンドウズ帝国を創り上げた。その帝国は世界中に浸透しているため、なかなか崩すことはできない。しかし、真に優れているものはいつか必ず認められるものだ。マッキントシュの販売は徐々に回復。iPhoneを初めとする素晴らしい製品群は世界を席巻する。

短期的にはわからぬが、長期的に考えれば基本的に優れているものは必ず勝つ。
アップルとマイクロソフトの両者は上記の言葉をよく現している。


今ジョブスは病気が悪化して休養中だ。回復することを願いたい。

そして、私自身も次の未来に革命を起こすことができるようなことをしたい。

若かりし頃のスティーブジョブス。かっこいい。

2011年2月20日日曜日

孫正義の白熱教室

PRESIDENT 2011.3.7日号

孫正義の白熱教室

孫正義はすごい。

自らの信を貫き、リスクを取ってでも挑戦し、成功してきた。

相手が国であろうと構わず戦う姿勢を見せる孫正義は本当に尊敬する人物である。まさに21世紀の松下幸之助である。

この雑誌記事は孫正義がどのような経営を行っているのか分かりやすくまとめられている。ケーススタディ形式となっているため読みやすくわかりやすい。



孫正義は常に夢を口にする。
偉大な経営者は、皆常に夢を口にする。
大ボラと言われるような夢を口にするのだ。

坂本龍馬だって、松下幸之助だって、岩崎弥太郎だって、永守重信だってそうだ。

夢を常に持ち続けることを大切にしていきたい。
そして、夢を叶えたい。

映画『ウォールストリート』





ウォール・ストリート


私は証券マンだ。

欲望は悪か。

投資とは所詮強欲の果てなのか。

私はそれだけではないと思っていた。

投資は経済に必ず必要なものなのだ。

株式がこの世になければ。債権がこの世になければ。為替取引がこの世になければ。この世の中はどうなっているのか。

資金が一つの場所に集中し、動くことなく、必要な場所へ資金が行かなくなる。資金がなければ経済は上手く動くことはない。昔の戦国時代のように、戦争を繰り返して財産を無理やり奪い合うしかないのだ。

だが、この映画や、映画『ハゲタカ』のように、投資に関して「ギャンブル」のイメージばかり先行させるようなメディアが多々あるのである。

投資には欲が働く。だから資金が動く。だが、欲だけではない。社会にとって意味のあることなのだ。


本作の中にもUF財団というものがあった。次世代エネルギーの研究開発のために資金を投じるものだ。財団なのでリターンもある。だが、それだけれはない。次世代の技術開発には資金が必要だ。そのために、投資というスキームが必要なのだ。

しかし世の中では、投資といえばギャンブルで社会悪のイメージが先行している。特にここ日本ではそうだ。


投資というものを一つの点で見るのではなく、もっと広く、深く見てほしい。この映画を見ることによって、投資というものがまた悪いイメージとならぬことを願いたい。


2011年2月13日日曜日

米国の景気回復とトヨタ叩き

トヨタのシステムに、実は問題がないと発表された。
これは米国の景気回復を現すことに繋がる。

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トヨタは何故あそこまで強く叩かれたのか。
経済運営がうまく立ちゆかず、米国の象徴的企業であったGMは破綻。
政府には、何かを攻撃してその力強さを国民にアピールする必要があった。
米国自動車産業が元気を無くしているその時、日本の巨艦トヨタはまさにその格好の餌食だったのだ。

しかし、景気は徐々に回復。
ラフォード運輸長官はあっさりトヨタに非がないことを認めた。
もうトヨタを叩く必要が薄れつつあったからである。
だが、何故ここになってあっさり米国政府の調査不足を露呈するよな発言をするのか。
トヨタが懸命なロビー活動が行ったことを伺わせる。

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民主主義というのは、良い制度のようで醜い部分が多い。
政治体制というのはやはり難しい。

2011年2月6日日曜日

アラブ諸国のこれから ~エジプト動乱より~

ベンチに座るエジプト人達


 1年前、私はエジプトを旅していた。世界50カ国を回ったが、ここエジプトの人々はとりわけ明るく、そしてとてもフレンドリーだった。カメラを向けると笑顔やポーズを作ってくれたり、初対面でもいきなり打ち解けて親身に話ができた。貧富の差は大きいようだったが、街は活気づいていた。私はこの国をすぐに好きになった。また行きたい国だった。

 しかし、今エジプトは混乱状態に陥っている。1万人がタハリール広場に集まり、大声を上げている。「ムバラクはすぐにやめろ!」
 大統領支持者もいる。
「次の大統領選挙まで待とう。」

 1981年、私が生まれる前に大統領となり、それからずっと政権を保ってきたムバラク大統領。国民が誰がこの国を統治しているのか知らしめるため、ムバラク大統領の顔写真が街のいたるところに貼られていたのを覚えている。

 ムバラク大統領はあまりに権力の座に着きすぎた。それが最大の功罪であるが、ムバラク大統領が長期政権を保ったおかげで、エジプトは長い間安定していた。過激なイスラム原理主義が台頭する国々とは違い、政教分離を行い、過激な勢力を徹底的に排除したからだ。

 外交面でも、エジプトとイスラエルが手を結んだおかげで(イスラム諸国からは批判が多くあったが)、「イスラム共和国」対「イスラエル」という対立を和らげることができたのだ。

 ムバラク大統領は決して悪い部分ばかりではないのである。むしろその強いリーダーシップを持つことができたからこそ、格差は大きいもののアラブ圏の経済大国になることができたのだ。


 しかし、長期政権を保ちすぎたこと、格差是正に力を入れることを怠っていたのだ。政権交代自体は望ましいことである。

 だが、これからこの情勢はどのようになっていくのか。

 今考えられるのは、
 1.9月の大統領選までムバラクは大統領を続け、政権の円錐な移行に尽力する。
 2.野党勢力の言うように、すぐに辞任し、申請権を発足させる。

 このどちらになっても非常に厳しいことは否めない。
 1.をとってみると、野党勢力はより過激な行動をとるようになりかねない。軍はデモに対して危害を加えることはないと言っているが、過激となったら話は別である。一度衝突が起こればそれが大きな争いへと発展する可能性も大いにある。そしてそれはイスラエルとエジプトの同盟関係を維持できなくなり、再びシリアなどがイスラエルへ銃身を向けかねない。また、同じ長期政権を保つ中東諸国への混乱の波及は加速する。中東は再び大混乱に陥るだろう。

 2.野党勢力の言うようにするに大統領がやめるとしよう。しかし、次期大統領の有力候補がまだいない。次の指導者はだれなのか。何の準備もなしに政権を交代させても、混乱を招くだけであるのは目にみえている。この混乱はエジプト国内での争いを巻き起こす。

 また、どちらにも言えることであるが、政権交代後イスラム同胞団が政権を握れば中東の政治力学は大きく変化する。イスラエルとの同盟を取り消す可能性もある。イランのように反米政権へ転換する可能性もある。そしてそれらは中東諸国のあらたな火種となるのである。

 このエジプト問題は相当に深刻な問題なのだ。

 
 とにかく今必要なのが、大統領と野党勢力の和解である。和解することで円錐な政権交代を実現させ、過激な方向へ向かわぬようにしなければならない。失敗すればアラブ諸国は大変なことになる。とてもデリケートなのだ。

 この際、9月まで野党勢力との連立政権を立たせ、ムバラクと野党の共同政権を作るしか方法はないように思う。これを実現するしかない。


 時が流れるほど、導火線の火は進んでいく。急がなければならない。


2011年1月30日日曜日

日本政治が停滞するワケとは

企業業績は回復し、日経平均は年初より徐々に上昇している。
鉱工業生産などの重要経済指標も徐々に回復、直近のGDPは前期比年率4.5%と好調な水準である。

しかし、ここ数年どんな時もある不安材料が残る。

日本の政治だ。

普天間問題、小沢問題、TPPの関する協議など問題は様々。政治を行う上で問題はあって当然だが、あまりにもそのスピード感が遅すぎる。

だが、これは全て政治家のせいなのだろうか。もちろんその責任はあるだろうが、私は必ずしもそれだけではないと思う。国の政治制度が根本的な問題なのだ。

今の日本政治の根本的な問題点は「リーダーシップの欠如」である。2009年には衆議院選挙、2010年参議院選挙、2011年には統一地方選挙。。。こんなに選挙があれば政府がリーダーシップを発揮できないのは当然であり、毎年選挙対策のための人気政策が実行され、税金の無駄を生むのである。選挙に参加する者に高齢者が多いことも、世代間が偏り、高齢者向けの政策が支持される。この無駄が多い政治制度が日本の政治を弱体化させているのである。

経済力を付けてきた中国。共産党一党独裁が良いとは思わないが、中国には強力なリーダーシップを発揮する政治力があり、見事それを上手く使って政治を運営している。米国も、4年に1度の大統領選挙によって、強力なリーダーシップを持つ大統領が任命される。日本のようにすぐに辞めさせられたりはしない。強力なリーダーシップを持つトップがいる国の政治は一貫性を保ちやすく、政治運営を行い易くなるのだ。

日本の政治にはない力である。日本の政治体制では、よほど強力なリーダーシップがなければ上手く政治を運んでいくことは難しいだろう。


しかし、それを解決するにはどうするか。首相の権限をより強固なものとし、強力なリーダーシップのもとで日本を引っ張っていく政治システムをつくるにはどのようにすれば良いか。

解決策は
1.首相公選制にする
2.参議院を撤廃し、1院制にする

ずばりこの2つであろう。
1。首相公選制
米国の大統領のように、首相を国民が直接選ぶ方式である。こうすれば今のように首相が頻繁にやめざるを得ない状況は続かない。国民に直接任命責任が及ぶからである。米国のように4年に一度とし、行政の長としての権限を強く持ち、任期中は滅多なことでやめさせることができないようにする。

2。参議院を撤廃し、1院制にする
セーフティーネットとしての参議院だが、ねじれ国会の中では議会を混乱させる火種になるだけである。また、ねじれではない時は衆議院の法案をそのまま参議院で通すだけの意味のない機関となってしまう。今の政治にはスピード感が必要である。2院制ではスピード感を得られない。
また、何度もあった選挙回数を減らすことができ、短期的な世論の動向に左右されにくくなる。また、議院の削減による人件費削減も大きな焦点となろう。

以上2点が日本の政治を救うと私は思う。
政治家が足をひっぱる日本。復活の日は来るのだろうか。
忘れてはいけないのが、その政治家を選んだのは私たち自身であることだ。

李忠成の栄光

昨晩アジアカップ決勝。冬の夜となっても20度という中東ならではの気候の中、緊迫した時間が過ぎていく。

フィールドで戦う選手達を見れば、その身長差は明らかだった。巨兵豪州の大きな壁が日本の選手たちに立ち、苦戦を強いる。

オーストラリアにはここ最近、PKでしか勝ったことがなかった。

展開は延長線に入り、またもPK戦に縺れ込むのか。

そんな中、一人の選手がベンチからフィールドに入ってきた。サンフレッチェ広島の李忠成選手だ。

彼は在日韓国人だったが、「在日韓国人の可能性を示したい。」と日本代表入りを希望して2006年に帰化。親戚からの猛反対の中、母親から「親戚中から縁を切られても私たちはいいから自分の思うようにしなさい」と言われて決意した。北京オリンピックに日本代表として出場。アジア予選で2得点を挙げた。

今回のヨルダン戦が国際Aマッチ初出場だ。
そして決勝の延長戦、ついにチャンスが訪れた。

「ヒーローになる、ヒーローになる。」

ずっとそう言い聞かせてピッチにかけ込んだ。

延長後半4分。長友の左クロスを、美しい左足ボレーでコールネットを揺らした。
ヒーローになった瞬間だった。

日本は優勝し、アジア大会4度目、史上最多の優勝となった。

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この活躍を、中央日報はこのように報じている。

李忠成がやり遂げた。

在日同胞で日本サッカー代表チームの李忠成は30日(韓国時間)にカタール・ドーハで開かれたアジアカップ決勝戦対豪州戦で、延長戦後半に値千金の決勝ゴールを決め日本を優勝に導いた。

延長前半に投入され最前方に就いた李忠成は、延長後半4分、長友の左クロスを左ダイレクトシュートにつないで決勝ゴールを決めた。決勝戦前まで1失点にすぎなかった豪州のGKシュウォーツァーも身動きできずにやられてしまった。李忠成は自身を選んだザッケローニ監督に走り寄り厚い抱擁を交わした。国際Aマッチ2試合目で入れたデビューゴールだ。

読んでみてわかると思うが、この記事に賛否両論の声があり、ハングル語版は非常に大賑わいしているそうだ。

私も海外で生活した経験があるので多少理解できる。その国の在住外国人は、祖国とのナショナリズムとの間に苦しむこととなるのだ。

「祖国は大切。しかし長く暮らすこの国も好きだ。」

そんな在住外国人は多いはずである。おそらく李忠成もその一人だろう。しかし、そのような人々に各国の人々は

「おまえは○○人だろ!」「おまえは○○で生まれ育ったのではないのか。」

と言って何方か一方に所属するよう強制する。外国人に対して排他的な感情を持つ人が多いこの国ではそのような人々が少なからずいるのは事実である。


祖国を大切にすることは良い事だ。しかし、それが排他的感情を助長するようなことになってはならない。


2011年1月16日日曜日

坂本龍馬と岩崎弥太郎

坂本龍馬

「世の中の人は何とも言えば言え。我が成すことは我れのみぞ知る。」

友人や会社の先輩の勧めで司馬遼太郎の「龍馬がいく」を読んだ。

時代の節目には、変化が求められる。変わらなくてはいけない時がある。だが

、その変化を拒む者はいつの時代にもいる。

「Yes, We Can!」と言い、米国で黒人初の大統領に就任してもう少しで4年。

自由の国米国に変化を起こし、また新たな自由を生み出した。しかしそれだけ

の偉業を達しながら、彼はその後米国に変化をもたらしたのか。

「変化」に対し、世の中の人々は常に冷たい目を向ける。その難局を乗り越え

てこそ、国は新たな成長を達成するのである。


坂本龍馬は幕末の中、700年続いた武士社会を終わらせ、新しい世の中へ変化

させたのだ。

しかもヒトラーのような独裁者ではない。どんな人にも良心的で、明るくふる

まいながら日本を導いていった。

もちろん龍馬をよく思わない人々もいた。「変化」を恐れた人々や嫉妬をした

人々だった。

しかし、そのような中でも龍馬は強い意思を持っていた。誰にも折ることがで

きない強い意思を。日本を思う強い意思を。


今日本は「平成の開国」と話題となっている。その中でよくこの幕末の話が引

き合いに出されるがそれも当然である。

もしも今の世の中に龍馬がいたら何をするのだろうか。この衰退する日本をど

う変化させるのか。世界に取り残されるこの日本をどう導いていくのだろうか


しかしそんな夢物語に想像を膨らませては、机上の空論を繰り返すくだらない

学者と同じである。私自身がそんな人間になるのだ。

「世に生を得ることは事を成すことにあり。」

口だけにならぬよう、努めていきたい。



岩崎弥太郎

天下の三菱財閥を築いた岩崎弥太郎。龍馬はもちろんだが、私はこの男の方が

共感する部分が多い。

小さいころから、土佐藩の下士として虐げられてきた。家も龍馬と比べると貧

乏で、武士であるが百姓をしながら生活し、惨めな思いをする日々を過ごして

いた。

その悔しさ故、少しの事では挫けぬ強い心を持つ。自分を虐げてきた者たちを

絶対に見返してやるのだという強い心を持つ。

23年間という短い人生だが、私は悔しさで一杯だ。このような自分が情けな

く、そして憎くてしょうがない。世界で一番憎いのはこの自分である。

だからこそ、成功したい。今まで自分を見下してきた者共を見返してやりたい

。要領が悪く、何もかも中途半端な自分を変えたい。

ここに記したのは、私自身を戒めるためである。口だけの男にならぬよう、逃

げ道を作らぬよう、私はここに記す。

誰もが認める人間になり、必ずしや成功してみせる。

岩崎弥太郎や坂本龍馬がそうであったように。

口だけにならぬよう、努めていきたい。